ネットワークビジネス では、ダウンラインの中にビジネスとしては参加していないけれども、製品を購入してくれている製品愛用者がいるとします。
今回は、その製品愛用者を、ビジネスとして参加する側にどのようにシフトさせるかという話をします。
製品愛用者がビジネスに参加する価値
よく考えてください。自分のグループを大きく育てる秘訣は、ネットワークビジネスに「ビジネスとして参加」するメンバーを増やしていくことです。その意味で、製品愛用者がビジネス参加者になるということは、あなたのグループが大きくなる可能性を秘めた出来事だと言えます。
ただ、製品愛用者であれば誰でも良いということではありません。製品愛用者をビジネス参加者にシフトさせるには、1つの条件があるのです。
成功体験があるかどうかが前提
製品愛用者をビジネス参加者にシフトさせるには、まず製品愛用者に「その製品を使ったことによる成功体験」があることが前提です。製品愛用者が製品を使う理由は、その製品を使うことで「理想としている自分になりたい」からです。で、製品を使ったことによる成功体験とは、まさに「なりたい自分になった」という状態を意味します。
理想の自分を手に入れた人には、「自分もそのようになりたい」という新しい人が出てきます。そして、なりたい自分になれた愛用者は、その人に自分の成功体験を伝えることができます。
つまり、製品を使ったことで成功体験を持っている愛用者は、ビジネスとして参加できる条件を備えているわけです。
愛用者に起こった変化を引き出せ
でも、製品愛用者は積極的にビジネスをしようなんて思っていないからこそ、愛用者でい続けるわけです。そこで、あなたのグループで愛用者として成功体験を持ち、かつビジネスに参加したらできそうだと思う人に対しては、こちら側から何らかの働きかけが必要になってきます。
それこそが、質問をすることで、愛用者に起こった変化を引き出し、ビジネス参加者にシフトさせるという方法です。
例えば、分かりやすく説明するために、私がダイエット製品を扱うネットワークビジネスに参加しているとします。そして、私のグループの製品愛用者が10キロのダイエットに成功したとしましょう。
そして、その人に「体重が10キロ減量できて、今どんな気分ですか?」と聞見ます。その人は「人生が変わりました。とっても気分爽快です」と答えるとします。
そこでまた私がこう言います。「減量して、身の回りにどういう変化が起きたかいくつか事例を教えてくれますか?」
「ベッドから起き上がるとき、ひざの痛みが無くなりました。買い物に行った時も、お店の人の接し方がこれまでとは変わって丁寧になりました。レストランに食事に行った時も、店員は親切に感じるし、鏡で自分を見た時、自分でも素敵って思っちゃうのよ。もちろん、着たい服が着れるようになってオシャレもすごい楽しんでいるし。もう最高よ」。
そこで、私はこう付け加えます。「なんか自分に自信が出てきたように感じますね。周りの人もあなたに親切になったり、毎日がより良くなっていると伝わってきました。あなたもそう思いますか?」
こう問いかけると、その人は「毎日が最高よ!」と大抵の場合答えます。
質問で引き出した変化=ベネフィット
この会話で私がやったことは何だと思いますか?ただ会話しただけですか?違いますよ。私がやったことはもっと本質的なことです。
この会話で私がやったことは、「製品を使うことによるベネフィット」を愛用者から引き出したんです。
でも、ほとんどの人は、「この製品にはオメガ3という成分が入っているから、そういうことを友人に伝えるんだよ」などと、製品の特長を伝えるように指導するわけですが、でも製品に入っている成分のことなんて誰も興味ないんです。
人々が興味を持つのは、自分に対して人が親切になったことだったり、今までとは違うように接してくれることだったり、着れなかった服が着れるようになってオシャレを楽しめるようになったこと、鏡をのぞいて変わった自分を見て気分良くなることなんです。だから、製品の成分を伝えるのではなく、自分がどういう風に変わったかを伝えなければダメなんです。
ベネフィットを聞き出した後のダメ押しの質問
相手が得たベネフィットを一通り聞き出したら、それをまとめて繰り返して伝えます。
「そうすると、あなたがベッドから起き上がるとき調子が良くなった、鏡を見ると気分が良くなった、人が親切に接してくれるようになった、オシャレを楽しめるようになった、ということですね?」
相手「ええ、まさにその通りよ。」
あなた「それはすごいですね!」
このように、相手が得たベネフィットを確認した後、本題の質問を投げかけます。
「じゃあ、あなたに簡単な質問をさせてください。あなたと同じような悩みを持っている人が他にもいると思いますか?」
「もちろん、いるわ」
「ちょっと考えてみてほしいのですが、もしあなたが私の立場で、あなたが紹介した製品のおかげで人生を変えた人の話を、今まさにあなたが私に対して話してくれたことを聞く立場にいるとしたら、どんな感情になると思いますか?
この質問をすると、何が起きるか?
この質問をすると、その人は感情が込み上げてきて、自然と涙が流れ出します。
ここでちょっと考えてください。私はこの人にビジネスの話を持ち出しましたか?お金の話をしましたか?ほとんどの人はこの時点でお金の話を持ち出してしまうので、ビジネス参加者の獲得に失敗するんです。
お金は多くの人が興味を持つものですが、「優先順位」が必ずしも一番ではないのです。製品愛用者がどうしてもお金を稼ぎたいという人であれば、とっくにビジネス参加者としてあなたのグループで活動しているはずですよね。
でもそうではないということは、製品愛用者にはお金よりも優先したい、お金よりも大切なことがあるのです。それこそが、私が先ほど魔法の質問によって引き出したベネフィットなわけです。
だから、ビジネスの話やお金のことを持ち出す必要は全くないのです。でも、「お金を稼いでみませんか?」とお金の話を持ち出すからこそ、拒絶されてしまうのです。「え?お金の話?いらないわ、私は製品が好きなだけだから」と。
欲を出すな!相手のベネフィットにフォーカスせよ!
多くのネットワーカーはお金欲しさのあまりに、自分の欲を優先して、ビジネスに誘ってしまうからダメなんです。そんなレベルの話をしても、「自分が儲けたいんだな」っていう下心が丸出しで、相手に悟られますよね。商品を売りつけようとする売れない営業マンと同じでしょう。
そうではなく、愛用者のベネフィットにフォーカスして、話を切り出すんです。そうすることで、相手の内面に影響を与え、気付きを与え、行動させることができるのです。これが結果的に自分が稼げるようになるコミュニケーションのやり方なんです。これができれば、いくらでも稼げるんです。